親指シフト入力向けのキーボード論と、「orz配列」

親指シフト入力では、スペースキーの幅が狭いキーボードのほうが入力は容易です。
スペースキーの幅が狭いキーボードのほうが、「無変換」キーや「変換」キーを押しながら他のキーを押すのが容易だからです。
なので、選択可能であれば、なるべくスペースキーの幅が狭いキーボードを選びましょう。

このページでは、様々なキーボードを例に挙げて、親指シフト入力のやりやすさについての管理人の実感を述べます。

なお、キーボードの選択をできない事情がある場合の裏技として、「NICOLA配列」ではなく、「orz配列」等の特殊なキーボード配列を選択することも可能です。

1. 親指シフト入力では、スペースキーの幅が狭いキーボードのほうが有利

親指シフト入力では、スペースキーの幅が狭いキーボードのほうが入力は容易です。
スペースキーの幅が狭いキーボードのほうが、「無変換」キーや「変換」キーを押しながら他のキーを押すのが容易だからです。
なので、選択可能であれば、なるべくスペースキーの幅が狭いキーボードを選びましょう。

おすすめは、ノートパソコンであればLenovoのThinkPadシリーズ、富士通のFMVシリーズです。
逆に、NECのLavieシリーズなどは、あまりおすすめとは言えません。
(2021年9月段階での管理人の意見です)

以下、様々なキーボードを写真入りで紹介しつつ、親指シフト入力のやりやすさについての管理人の実感を述べます。
参考にしてください。
管理人の独断と偏見です。どんなPC/キーボードを入手されるとしても、自己責任でお願いします。

  1. おすすめ: Lenovo ThinkPadシリーズの場合:
    Lenovo の ThinkPad シリーズは、だいたい、スペースキーが短めです。
    以下の図は、E495の場合。X280、T490もほぼ同じです。
    スペースキーの左の端は、[V]キー左側の真下くらいまで。右端は[N]キーの下中央くらいまで。
    親指シフトでの入力に不都合はまったく感じません。


  2. おすすめ: 富士通 Lifebookシリーズの場合:
    富士通のノートパソコンは、だいたい、スペースキーが短めです。
    以下の図は、Lifebook WU2/C3の場合。
    スペースキーの左の端は、[V]キーの下中央くらいまで。右端は[N]キーの下中央くらいまで。
    親指シフトでの入力に不都合はまったく感じません。


  3. おすすめ: メカニカルキーボード RAZER BLACKWIDOW LITE の場合:
    デスクトップパソコンの場合は、パーツ交換が容易ですね。
    キーボードは、スペースキーの幅が小さいものを選ぶようにしましょう。
    以下の図は、手元のキーボード「RAZER BLACKWIDOW LITE」の場合。
    スペースキーの左の端は、[V]キーの下。右端は[N]キーの右端よりさらに左。
    親指シフトでの入力に不都合はまったく感じません。


  4. おすすめ: メカニカルキーボードXPG SUMMONERの場合:
    デスクトップパソコンの場合は、パーツ交換が容易ですね。
    キーボードは、スペースキーの幅が小さいものを選ぶようにしましょう。
    以下の図は、手元のキーボード「XPG SUMMONER」の場合。
    スペースキーの左の端は、[V]キーの下より少し左に出ていますが、右端は[N]キーの右端よりさらに左。
    親指シフトでの入力に不都合はまったく感じません。


  5. おすすめ: メカニカルキーボード 東プレ REALFORCE91UBK の場合:
    デスクトップパソコンの場合は、パーツ交換が容易ですね。
    キーボードは、スペースキーの幅が小さいものを選ぶようにしましょう。
    以下の図は、手元のキーボード「REALFORCE91UBK」の場合。
    スペースキーの左の端は、[V]キーの下。右端は[N]キーの右端よりさらに左。
    親指シフトでの入力に不都合はまったく感じません。
    旧式のRealforceキーボードです。2017年以降発売の第2世代と呼ばれる「REALFORCE R2 シリーズ」は、スペースキーの幅がかなりあるのでおすすめではありません。


  6. 非推奨: NEC Lavie 750/DAB場合:
    NECのノートパソコンは、残念ながら、スペースキーが長めです。
    キーボードは、スペースキーの幅が小さいものを選ぶようにしましょう。
    以下の図は、手元のNECノートパソコン「NEC Lavie 750/DAB」の場合。
    スペースキーの左の端が[V]キーの下より少し左に出ていることは問題ないのですが、右端は、[N]キーどころか、[M]キーの中央下。
    右手側の親指キーを押しながらの操作がかなり窮屈です...。というか、「親指シフト」での運用はあきらめました


  7. ギリギリ利用可能か: MacBook Air 2013の場合:
    Macはそんなに使っていないのですが、手元の機種についてコメントを。
    MacBook Air 2013では、スペースキーの右端が、[M]キーの左端よりさらに右側にまで伸びています。
    右手側の親指キーを押しながらの操作がかなりやりにくいです。
    ギリギリ許容レベル。


  8. ギリギリ利用可能か: iPad Pro smart keyboardの場合:
    僕自身はiPadではローマ字入力なのですが、工夫して親指シフトを使っている方もいらっしゃるようです。
    iPad Proの親指シフト化については、僕自身はやり方は分かりません。
    僕自身は、メインで使っているわけでもなく、大量の入力をしているわけでもないので、そこまでしなくてもな...と思ってはいます。が、キーボードだけ紹介しておきます。
    スペースキーの幅は、上に紹介したMacBook Air 2013とほぼ同じ。
    ということは、ギリギリ許容レベルかと。
    右手側の親指キーを押しながらの操作がかなりやりにくそうです。


2. 裏技「orz」配列

スペースキーの横幅があって、親指シフト入力がしにくい場合があります。
たとえばスペースキーが右に幅を取っているため、「変換」キーを右手親指で押しながら右手で別のキーを押すのが難しいといったケースです。

そのような場合、親指シフト入力時のレイアウト設定を、標準の「NICOLA」ではなく、「orz配列」に変更するという裏技があります。

「orz配列」は、右手側のキーのほぼすべてが一列右に移動したレイアウトです。
たとえば、「はときいん」は標準の「NICOLA配列」だと、それぞれ、[H], [J], [K], [L],[;]のキーを押すと出力されます。
orz配列では、一文字分右にズレて、「はときいん」は、それぞれ、[J], [K], [L],[;],[:]です。

通常は右手のホームポジショでは右手人差し指は[J]キーの上に置きます。
ですが、orz配列で入力するときは、一文字分右にズレて、[K]キーの上に置きます。

僕自身は、ホームポジションから手の位置をずらして作業するのはキモチ悪いんで、試したことはあるという程度ですが...以上、ご参考まで。

orz配列を試してみたい場合は、以下のサイトを参考に試してみてください。
【親指シフト】Windows やまぶきR に orzレイアウトを導入する