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「チャネル」とは、「入り口」とか「経路」といった意味。
「知覚チャネル」とは、人が世界と接するときの「入り口」、「経路」のことを言います。

「世界と接する」、つまり、感覚器のことです。

この「感覚の経路」、つまり「知覚チャネル」は、神経言語プログラミング(NLP)では、視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)と大きく分類されます。

視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)の略称を取って、「VAK」などと言われます。


そして、人それぞれ、得意な知覚チャネルがあります。

視覚(Visual)が強い人は、「見る」ことでの世界との関わりが得意です。
また、表現も、ビジュアルなものを好みます。

聴覚(Auditory)が強い人は、「聞く」ことでの世界との関わりが得意です。
また、表現も、音によるものを好みます。

体感覚(Kinesthetic)が強い人は、「感じる」ことでの世界との関わりが得意です。
また、表現も、「感じ」とか「身体の動き」のようなものを好みます。


たとえば、英単語を覚えるにしても、視覚(Visual)が強い人は「見る」ことを通じて覚えることが得意な傾向があります。
聴覚(Auditory)が強い人は、リスニングを通じて覚えることが得意な傾向があります。
体感覚(Kinesthetic)が強い人は、「書く」、「声に出す」といった身体を動かすことを通じて覚えることが得意な傾向があります。


視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)のどの領域が得意かは人それぞれです。

僕自身を例にすると、視覚(Visual)と体感覚(Kinesthetic)が得意なタイプです。
実際、語学学習は、テキストを読むことと、書くこと、実際に声に出すことで記憶が定着します。


こういう「自分の得意な知覚チャネル」や「自分が得意ではない知覚チャネル」を知ることは重要です。

友人にピアニストがいます。
彼女は、フランス留学の際、事前準備として、都内のフランス語学校に通ったのですが、「さっぱり文法も何も分からないけど、ひたすらフランスを浴びるように聞かされて、それでなんとかなった」と言っていました。
「語学なんて、たくさん聞いていればなんとかなるのよ」と彼女は言いました。

とはいえ、ここまでの文章を読まれたあなたであれば、音楽家の彼女は、普段から知覚チャネルとしては聴覚(Auditory)の領域をかなり得意としていて、学習にもその得意な知覚チャネルを使っただけと分かります。

「聞いているだけでなんとかなる」と言われると学習コストが低そうでオトクな感じがしますが、「視覚(Visual)と体感覚(Kinesthetic)が得意なタイプ」な僕には向かない学習法だなというのが僕の感想でした。
(うらやましくはあります)


講座では、早いうちに、受講生のうち誰が視覚(Visual)の領域が得意で、誰が聴覚(Auditory)の領域が得意で、誰が体感覚(Kinesthetic)の領域が得意かということを早めに把握します。

そして、取りこぼしのないように講座を進行します。
視覚(Visual)の領域が得意な受講生には、デモを見せることが重要です。
聴覚(Auditory)の領域が得意な受講生には、論理立てて説明をすることが重要です。
体感覚(Kinesthetic)の領域が得意な受講生には、実際にPCを操作する、演習をするといった体験が重要です。

VAKどの領域が得意な受講生が多いかによって、講座の進め方も変わります。
説明をして、それからデモをして、それから体験してもらう。
体験してもらって、それからデモをして、それから説明する。
説明から入って、それからデモをして、それから体験してもらう。

研修の講師は、いろいろなオプションを有していることが大切です。
研修だけでなく、プレゼンテーション全般に言えることです。


「VAKのうち、誰がどの領域が得意か」ということを把握するには、コツがあります。
いずれまだメールマガジンの中で紹介したいと思います。