「ティッピング・ポイント」の役割を担う

人のモノを教える仕事をしていると、ありがたいのは、「ティッピング・ポイント」の役割をしてくれる受講生です。


「これは、こういうことですか?」と、講座の展開を促進するような質問をしてくれる人。
「すいません、こんな失敗しちゃいました。みんなにシェアしてもらってよいので、公開の場でアドバイスもらえませんか」と、公開事例になってくれる人。

こういう人がいてくれると、とてもありがたいです。
30人の参加者がいたとして、その人との対話を全体の前で進めれば、30人全体の学びになります。
1人にしっかり関わると、その効果は30倍になるわけです。

当然、講師は、「この人は、便利だから、もっと使おう」ということで、ついでにいろいろお伝えしたくなります。

「この人に関われば、全体に大きく影響を与えることができる」といった具合に、全体に大きな影響を与えられる存在のことを、「ティッピング・ポイント」と言います。


一方、残念なのは、休憩時間にこっそりと質問してくる人。
あるいは、「興味深い失敗例だね。これ、みんなとシェアしてよい?」と聞いたときに、「いえ、ダメです!絶対ダメ!失敗しているとこ、見せたくないです!!」と強烈に拒否してくる人です。

「え?あなたは、これから他の参加者29人が同じ失敗をしても平気なのね...。それに、僕がその都度同じ話を29回しても仕方ないと思っているのね...そうですか...うーん。たいした失敗じゃないのになぁ」と、講師はそう思います。

こうなると、講師は、その人へのアドバイスはさっさと切り上げたくなります。
コストパフォーマンスを考えて、その人へのアドバイスは最低限になります。
「もらっているお金の分だけ対応すればいいや。あとは知らん」となります。


経済合理性で考えても当然ですね。
今の説明は「どちらのほうがより教育効果が高いか」ということで説明しましたけど、これが「同じ費用をかけて商品を販売する」とかであったとしたら、売上が30倍になるかどうかの違いです。
  • この「ティッピング・ポイントになる」という考え方は、研修受講時にかぎらず、「部下としてどうふるまうか」とか、「趣味のサークルでどう場に貢献するか」といったときにも使えます。
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以下の講座で、場の中での自分の位置づけに気づいたり、小さな自分にとらわれて「ティッピング・ポイント」になれない自分を高いできるようになったりするための、「気づき」と「選択」について学べます。
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/46/

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