会話の公理:日常コミュニケーションの4つの原則

「会話の公理」とは、「普通の会話に望まれる作法」のようなものです。

イギリスの哲学者・言語学者であるポール・グライスが主張したもので、「協調の原理」とも言います。


会話の公理には、以下の4つの原則があります。

1. 量の原則:情報は必要十分であるべき
2. 質の原則:真実で正確な情報を提供する
3. 関係の原則:話題に関連する内容を話す
4 .方式の原則:明確で理解しやすい方法で伝える

これらの原則は、日常会話からビジネスコミュニケーションまで、あらゆる場面で役立ちます。

たとえば、ビジネスのミーティングでは、関連性のない情報を避け、目的に即した内容を提供することが求められます。


4つの原則それぞれについて、アンチパターンを考えるとこんなところでしょうか。

1. 量の原則:情報は必要十分であるべき

話が無駄に長い。

2. 質の原則:真実で正確な情報を提供する

事実の話が推論になっている。
いつの間にか主語が大きくなっている。たとえば、米国西海岸のとある砂浜での一体験だったのに、「アメリカの海岸線では...」と、話が大きくなってしまう。
反対に、主語が小さくなってしまう。全体に起きた問題について話していたはずが、そのうち、個人への攻撃になってしまう。

3. 関係の原則:話題に関連する内容を話す

話があちこちに飛ぶ。それ自体は悪いことでもないが、聴衆を関心を失うレベルまで話が飛ぶ。


4 .方式の原則:明確で理解しやすい方法で伝える

「何について話すか」を明確にしないままで話しだす。
結論から話さない。
大事なことから話さない。
全体の構造を伝えないままで話し出す。「ポイントは3つあります」と伝えてからポイントを述べていくるのとそうでないのとでは、受け手側に与えるストレスの大きさが変わります。
話し始めると文が終わらない。「...で、...で、...なんですけど、あ、でも...で...」といった感じで、話はじめると文の終わりの「。」が来ない。
  • 今日の会話で、これらの原則に意識的に注意を向けてみてください。
    どの原則が自然にできていて、どの原則が改善の余地があるかを感じ取ってみましょう。
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関連リンク:
会話の公理についてさらに学ぶには、以下のリンクを参考にしてください:


「会話の公理」については、英語版Wikipediaの解説のほうが日本語よりおもしろいです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Cooperative_principle

以下に日本語版の解説へのリンクも載せますが、できれば英語版のほうがおすすめです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E8%AA%BF%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%90%86

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