「身体的記憶」と「インデックス記憶」
There are two types of knowledge. One is knowing a thing.
The other is knowing where to find it.
知識には2つのタイプがある。ひとつは物事を知っていること。
もうひとつは、それをどこで見つけるかを知っていることである。
- サミュエル・ジョンソン
僕が初心者向けのプログラミング講座内でよく引用する言葉です。
「プログラミングができる」というと、プログラミング経験がない方は、「膨大な知識が頭に入っていて、その知識を動員してコードを書いているのだろう」と思われがちです。
ですが、未経験者によくあるその思いこみは幻想です。
完璧に頭に入っている知識は、実はそんなに多くはありません。
現実には、プログラムを書けるとは、以下のような状態を指します。
[1] 身体的記憶が定着している
[2] インデックス記憶が整理されている
[1] 身体的記憶が定着している
これは、開発環境(エクセルマクロならば Visual Basic Editor など)の使い方をある程度分かっていて、基本文法を習得している状態です。
「分かっている」というより、「勝手に身体が動いて勝手に作業完了できる」というレベルの記憶です。
ノンプログラマーの方でも、PCの電源を入れてWindowsにログインしてエクセルを開くくらいのことであれば、いちいち苦しまないでもサラサラとできるでしょう。
それと同じレベルで、開発環境の使い方や基礎文法に従ったコーディングができる状態を指します。
「地図」、「気づき」、「選択」、「手順」という僕がよく使う説明のフレームで言えば、「地図を持っている」というだけでなく、身体に定着した、無意識に実行できる「手順」を有しているということです。
[2] インデックス記憶が整理されている
これは、書きたいコードに近いサンプルコードの所在を知っていて、必要があれば、ほとんどノーストレスでそのサンプルコードを見つけられるという状態です。
インデックス(索引)についての記憶が整理されているということですね。
「地図」、「気づき」、「選択」、「手順」という僕がよく使う説明のフレームで言えば、「インデックス」は、地図のようで、実は、これも「手順」です。
脳内にある「インデックス」を参照して、「あ、ネットのあこそに行ければ欲しいサンプルコードがあるな」と思い至り、半ば無意識に検索をし、そして検索結果のページから半ば無意識に必要なコードを得ます。
この一連の行動パターンという「手順」を有しているという状態です。
技術が高まるにつれて、[1] の「身体に備わっている」スキルの質が高まります。
初級者の言う「基礎的」と、上級者の言う「基礎的」には、大きな違いがあります。
そして、[2] のインデックスされている情報も、初級者と上級者とではケタ違いです。
[2] の「インデックス記憶」になっていたのものが、次第に、 [1] の身体記憶になっていく。
そして、 [2] の「インデックス記憶」がさらに強化されていく。
そんなイメージです。
「インデックス記憶」の例を挙げます。
[a] かつて自分が書いたコードのどこに似たようなものが書かれているかが分かっている
[b] 書籍のサンプルコード集のどこを見れば良いかが分かっている
[c] ネット検索する探すときにどのような検索キーワードを使えば早く見つかるかが分かっている
[d] AIに聞いて一発で欲しいサンプルコードをもらうための聞き方を分かっている
インデックス記憶は、IT技術の進歩に伴ってますますその重要度を増しています。
特に、 [d] は強力です。
僕自身、「以前ならば書き上げるのに3週間はかかったであろうプログラムを、AIをフル活用することで1日で仕上げられた」という経験があります。
もっとも、そのような「インデックス記憶」による成果も、[1] の「身体的記憶」がしっかりあればこそです。
それは、逆に言うと、[1] の「身体的記憶」があるかどうかで、 0 と 1 どころか、 0 と 100, 0 と 1000 くらいの差がついてしまうのがITがますます普及しているこれからの時代ということでもあります。
基礎的なところからで良いので、「しっかりIT技術について学んでほしい」ということを僕がお伝えしているのは、「身体的記憶」を身につけるためのちょっとした投資が、これだけの極端な生産性の差を生んでしまうからです。
学習のステップとしては、まずは、 [1] の身体的記憶を作ること。そして、[2] のインデックス記憶を作り、それらを組み合わせてひとつの仕事を成し遂げてみることが大切です。
以下の講座は、エクセルマクロ初心者向けの講座ですが、簡単な演習もあります。
[1] 身体的記憶を作り、そして、 [2] インデックス記憶を作る ということを意識して学んでみてください。
エクセルマクロ・VBA導入編
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/10/
[2] の「インデックス記憶」を身体的記憶にしていくには、演習をくり返すことが効果的です。
以下の演習報告フォームを使って、演習実施ごとに記録を残してください。
くりかえすごとに、「調べないと分からない」はずだった「インデックス記憶」が「身体的記憶」になっていくことを実感できるでしょう。
https://forum.pc5bai.com/work/coding/?course=10
The other is knowing where to find it.
知識には2つのタイプがある。ひとつは物事を知っていること。
もうひとつは、それをどこで見つけるかを知っていることである。
- サミュエル・ジョンソン
僕が初心者向けのプログラミング講座内でよく引用する言葉です。
「プログラミングができる」というと、プログラミング経験がない方は、「膨大な知識が頭に入っていて、その知識を動員してコードを書いているのだろう」と思われがちです。
ですが、未経験者によくあるその思いこみは幻想です。
完璧に頭に入っている知識は、実はそんなに多くはありません。
現実には、プログラムを書けるとは、以下のような状態を指します。
[1] 身体的記憶が定着している
[2] インデックス記憶が整理されている
[1] 身体的記憶が定着している
これは、開発環境(エクセルマクロならば Visual Basic Editor など)の使い方をある程度分かっていて、基本文法を習得している状態です。
「分かっている」というより、「勝手に身体が動いて勝手に作業完了できる」というレベルの記憶です。
ノンプログラマーの方でも、PCの電源を入れてWindowsにログインしてエクセルを開くくらいのことであれば、いちいち苦しまないでもサラサラとできるでしょう。
それと同じレベルで、開発環境の使い方や基礎文法に従ったコーディングができる状態を指します。
「地図」、「気づき」、「選択」、「手順」という僕がよく使う説明のフレームで言えば、「地図を持っている」というだけでなく、身体に定着した、無意識に実行できる「手順」を有しているということです。
[2] インデックス記憶が整理されている
これは、書きたいコードに近いサンプルコードの所在を知っていて、必要があれば、ほとんどノーストレスでそのサンプルコードを見つけられるという状態です。
インデックス(索引)についての記憶が整理されているということですね。
「地図」、「気づき」、「選択」、「手順」という僕がよく使う説明のフレームで言えば、「インデックス」は、地図のようで、実は、これも「手順」です。
脳内にある「インデックス」を参照して、「あ、ネットのあこそに行ければ欲しいサンプルコードがあるな」と思い至り、半ば無意識に検索をし、そして検索結果のページから半ば無意識に必要なコードを得ます。
この一連の行動パターンという「手順」を有しているという状態です。
技術が高まるにつれて、[1] の「身体に備わっている」スキルの質が高まります。
初級者の言う「基礎的」と、上級者の言う「基礎的」には、大きな違いがあります。
そして、[2] のインデックスされている情報も、初級者と上級者とではケタ違いです。
[2] の「インデックス記憶」になっていたのものが、次第に、 [1] の身体記憶になっていく。
そして、 [2] の「インデックス記憶」がさらに強化されていく。
そんなイメージです。
「インデックス記憶」の例を挙げます。
[a] かつて自分が書いたコードのどこに似たようなものが書かれているかが分かっている
[b] 書籍のサンプルコード集のどこを見れば良いかが分かっている
[c] ネット検索する探すときにどのような検索キーワードを使えば早く見つかるかが分かっている
[d] AIに聞いて一発で欲しいサンプルコードをもらうための聞き方を分かっている
インデックス記憶は、IT技術の進歩に伴ってますますその重要度を増しています。
特に、 [d] は強力です。
僕自身、「以前ならば書き上げるのに3週間はかかったであろうプログラムを、AIをフル活用することで1日で仕上げられた」という経験があります。
もっとも、そのような「インデックス記憶」による成果も、[1] の「身体的記憶」がしっかりあればこそです。
それは、逆に言うと、[1] の「身体的記憶」があるかどうかで、 0 と 1 どころか、 0 と 100, 0 と 1000 くらいの差がついてしまうのがITがますます普及しているこれからの時代ということでもあります。
基礎的なところからで良いので、「しっかりIT技術について学んでほしい」ということを僕がお伝えしているのは、「身体的記憶」を身につけるためのちょっとした投資が、これだけの極端な生産性の差を生んでしまうからです。
学習のステップとしては、まずは、 [1] の身体的記憶を作ること。そして、[2] のインデックス記憶を作り、それらを組み合わせてひとつの仕事を成し遂げてみることが大切です。
以下の講座は、エクセルマクロ初心者向けの講座ですが、簡単な演習もあります。
[1] 身体的記憶を作り、そして、 [2] インデックス記憶を作る ということを意識して学んでみてください。
エクセルマクロ・VBA導入編
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/10/
[2] の「インデックス記憶」を身体的記憶にしていくには、演習をくり返すことが効果的です。
以下の演習報告フォームを使って、演習実施ごとに記録を残してください。
くりかえすごとに、「調べないと分からない」はずだった「インデックス記憶」が「身体的記憶」になっていくことを実感できるでしょう。
https://forum.pc5bai.com/work/coding/?course=10
- あなたの得意領域での知識について、以下の分類でためしに整理してみてください。
[1] 基礎的なスキルが身体に備わっている
[2] インデックス記憶が整理されている
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