ビジネス文書ライティングのコツと、そのバックグラウンドスキルまとめ

ひと月ほど前に、『「動作」と同時に「発想」をマネする』というテーマでメルマガを書きました。

「どうやったら、こんな発想が湧くんだろう」と思うような仕事をしている人のスキルを盗みたいと思ったならば、まず動作をマネてみる。動作をマネることで、その動作の内側で起きている「発想」のようなものも感じ取ることができる。

...と、おおまかに概要を述べると、そのようなテーマでした。

「動作」と同時に「発想」をマネする
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/849cf18b-fe04-4857-a8db-9c9507bf2a97/#cid52


これに対して、以前実施していた半年コースの塾「パソコン仕事5倍塾」の参加者sugitaさんから、以下のようなフィードバックをいただきました。

やはり、エクセルマクロの習得で、「まずは、僕が作った模範解答をマネする。そして、その模範解答にいたるまでの思考プロセスを盗み取る」という勉強法を実践された方です。

>sugita さん からのフィードバック 2023年11月8日11:46
>
>ショートカット&タイピングの取得から基礎編の反復でExcelマクロにはまりました。
>この取得のプロセスを資格試験の指導に応用して自分なりの手応えを感じています。(同じ問題のタイムアタックが特に良い)
>これは文章力をつけるトレーニングにはいかせるでしょうか?
>例えば、論文や作文の模範解答をタイピングしまくる!とか、、
>ご意見いただきたいです。そして、とりあえず実験してみます(^_^;)

「エクセルマクロで有効だった勉強法は、文章力をつけるトレーニングには有効なのでしょうか」という問いでした。

そこからしばらく、「文章力をつけるため」という視点からメルマガをお送りしています。
というか、このフィードバックをいただいたのは、もう1月ほど前なのですね。

回数が多くなり、また、途中下車して周囲を散策するような話もありました。
もうちょっと先まで話はあるのですが、今回は、ここまでの話をいちど整理したいと思います。

上記の問いをいただいて以降にお送りしてきた記事について、流れを追いながらまとめます。


まず、「論文や作文の模範解答」とは何かというところをフックに話をはじめました。


「ビジネス文書の模範になるような素材を選びましょう」というのが最初のメッセージでした。

ビジネス文書に求められる「ただひとつの用件」とは
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/3b874592-cc21-42d3-9358-0a6cbd7be1a3/


そして、「ショートカット」でも「エクセルマクロ」でも「文書力」でも、どんなスキルの習得でも活かせる「高速上達のための手順」について書きました。

以下のとおりです。

1. 「基本のパターン」を学ぶ
2. 「基本のパターン」に基づいた演習をする
3. ひたすら実践する

ビジネススキルの「高速上達のための手順」
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/790c4550-2af8-427d-b5c9-ae9eb160110b/


ここで言う「基本のパターン」とは、「メンタルモデル」です。

「メンタルモデル」とは、その人の世界観です。
同じものを見ても、「メンタルモデル」次第で解釈は変わります。

a. 世界とはこういうものである
b. パソコン操作とはこういうものである
c. スキル獲得の手順とはこういうものである

といったもの。
たとえば、「地球は平らだ」と思い込んでいる人は、「地球は丸い」ということの証拠になるようなものを見てもそうとは見えず、あるいは、その証拠になるようなものが目に止まらなかったりもします。


メンタルモデル
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/6e354640-7d78-43f1-bfc1-2e3b23afc50c/

ITスキル習得を阻害する「宗教的錯覚」
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/0c1740c6-8338-459e-9ef9-f30e5d4c42e3/


そこで、いつもお伝えしている「ビジネス上のアウトプットはDPRで考えましょう」というところからスタートして、文章作成のDPRについてお話ししました。

ただし、「エクセルのような表計算でのDPR」以外についてはこれまであまり語ってこなかったので、「DRPのD」、つまり「データベース」について、表以外のバリエーションを紹介しました。


「点」と「線」で世界を表現する - グラフ理論「入門」
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/2f8fd78c-f5c8-470e-9241-9372e51b3f85/

「キー」と「値」で世界を表現する - 文章作成にすぐに使える、ITの世界での「構造」の表現
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/f5634e8c-5d52-4e4f-914c-af4db8dc72b1/

「行」と「列」で世界を表現する - エクセルで今すぐ使える「テーブル」型データベースの考え方
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/9bb08abc-4834-4623-9959-e141a2e1c82d/


文章作成時の「DPRのD」とは、上記のうちの2つ目、「構造で表現するデータベース」の形式です。

そしてまず、「構造で表現するデータベース」の操作でよく使うショートカットを紹介しました。


文書ドラフトにすぐに使える4つのショートカット
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/68d8acc8-7f09-4dfb-964c-488f79d28e91/


そのうえで、「メモ帳やテキストエディタ」、「パワーポイント」、「ワード」、「マインドマップ作成ソフト」とアプリケーションを改めて紹介しました。
これらは、「構造で表現するデータベース」の考え方をそのまま活かせるアプリケーションです。
「メモ帳やテキストエディタ」、「マインドマップ作成ソフト」は構造的なメモを作るのには最適です。
また、特に、パワーポイントでは、「アウトラインビュー」という機能を使うとプレゼン作成がかなり簡単になります。
「ワード」のアウトライン機能は正直そんなに便利ではないのですが、ワードの代わりのアイデアとして、「Markdown記法」という、IT技術者向けの、装飾された文書を簡単に作れる記法を紹介しました。

「プレゼンの全体像」をパワーポイント標準機能でサクサク作る
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/f6a45430-fd69-48f3-b68b-f8c44ed46a45/

ワードの「アウトライン」機能を使ってみる
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/8f483fa5-943d-40b8-bfcd-99cfefe9e131/

プレゼン資料作成コストを10分の1以下にする「マインドマップ」の高速作成ノウハウ
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/911f8dfc-7e56-4fb1-b1c9-9690258b201d/

Wordより簡単に文書をサクサクと書ける!「Markdown記法」習得のススメ
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/ec4873fb-f51f-4840-b4ab-d70bdd7f36c2/


この過程を経て、ようやく、冒頭に紹介したsugitaさんからの問いへの回答のより深いところに迫る準備ができました。

>ショートカット&タイピングの取得から基礎編の反復でExcelマクロにはまりました。
>この取得のプロセスを資格試験の指導に応用して自分なりの手応えを感じています。(同じ問題のタイムアタックが特に良い)
>これは文章力をつけるトレーニングにはいかせるでしょうか?

ということでしたので、まずは、「ビジネス文章のライティング」と「エクセルマクロでのプログラミング」とに共通する思考法、工法のようなところについて書きました。

文章とコード: ライティングとプログラミングに共通する「構造的思考」とは
https://forum.pc5bai.com/tips/longshot/4b455965-012d-49e2-af84-a22230d5a75b/


ということで、次回以降、ようやくまとめに入れそうです。

次回は、ここまでの話をふまえたうえでの、「エクセルマクロを習得したときのように、ビジネス文書のライティングを習得するには」というところについて、「根本的に気をつけるべきこと」や「おすすめの学習法」について書こうと思っています。
  • 今回紹介した「ここまでの流れ」について、テキストエディタやメモ帳、マインドマップ作成ソフトなどで「アウトライン」を作ってみてください。

    そして、その内容を元に「これからどんな話が出てくるのだろう」と予想してみてください。
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いつも言っていますが、「DPR」とても大切です。
この一連のメルマガのシリーズも、僕の頭の中に「構造化されたD」を用意し、そこから順番にアウトプットしています。

エクセル仕事を劇的に楽にする「DPRフレームワーク」
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/35/


ショートカットスキルの習得は、まずは以下から。
エントリーモデル。

[ダイジェスト版] イヤでもWindowsとエクセルの操作が早くなるワークショップ
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/45/


文章ライティングのためのショートカットの学習は以下。
ただし、上記講座を終えた方向けの上級編です。

イヤでも思考が整理されて文章作成が早くなるワークショップ
https://forum.pc5bai.com/lesson/course/63/


ショートカットの重要性については常々お伝えしています。
身体的能力/現実化能力が高いほど、学習時も実践時もアウトプットの物量が多くなるからです。
アウトプットの物量が3倍、5倍になれば、習得のスピードも3倍、5倍、10倍...となっていきます。

エクセルマクロを習得するには
https://forum.pc5bai.com/article/tripod/


学習能力とは「ほかで学んだことを横転換するスキル」とも言えます。
ショートカット <-> エクセルマクロ <-> 文章ライティング と、それぞれの場で得られるスキルは相互補完的です。
慣れてくると、「どのスキルも、同じように学べる」、「どのスキルも、『70%完成』というような状態から少し積み上げるだけ」というような感覚で習得できるようになります。

エクセルマクロ習得に関係する4つの能力
https://forum.pc5bai.com/article/4skills/


このような学習法で学習することは、あなたの「地頭」を強化します。

習得したエクセルマクロを使いこなすには
https://forum.pc5bai.com/article/taosu/

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